ノジスミレ

ノジスミレ　（野路菫）

無茎種　ミヤマスミレ類

山のスミレと里のスミレに分けるとしたら、このノジスミレは里のスミレです。さすがに街中では見かけませんが、田園地帯へ行けばあちこちで咲いています。畑の脇、野原や林の縁、人家の石垣にも。
スミレの葉と比べて三角形に近いのですが、よく似ています。葉柄にうっすらと翼も見えるので、間違いやすいかもしれません。でも、スミレの葉のようにピンと天に向かって立つ事は無く、横に広がります。花弁はスミレより丸みがありますから、花はボテっとした印象を受けます。そして雌しべが奥まっていて見えづらい事も、ノジスミレの特徴です。

ノジスミレを見つけたら、香りを嗅いでみてください。ほんのりとした香りなので、花に鼻をくっつけなければわからないかもしれません。甘く爽やかな良い香りがするはずです。似ているスミレやヒメスミレには香りがありませんから、ノジスミレを見分ける特徴の一つです。
　
比較的咲き初めが早いスミレで、彼岸の前にはもう咲いています。花期は4月いっぱいくらいでしょうか。